なぜ私たちは残留農薬が気になるのか、残留農薬のない食品を食べるにはどうすべきか

食品1

野菜や果物は毎日のように口にしますよね。産地や農薬など気にしないで購入する人もいれば、残留農薬が気になり、値段が高くても安全そうな国産を選ぶ人もいます。気にする方は、外国産には何となく農薬が残っているような気がする方が多いのではないでしょうか。

そのため、国産を選ぶのだと思いますが、なぜ私たちは残留農薬が気になるのでしょうか、また、残留農薬のない安全な食品を食べるにはどうすべきなのでしょうか。

残留農薬の検査キットとは

まず残留農薬とはいったい何か

残留農薬とは、私たちが店で購入した野菜や果物などの食物に残った農薬のことを言います。残留農薬と言っても、その種類は数百種類と多くの種類があります。虫がつかないようにする目的で使用する殺虫剤や雑草が生えないように使用する除草剤、植物の成長を促す植物成長促進剤などその用途によっても様々です。

それらは野菜や果物を栽培している農家で使用されています。しかし、残留農薬とは農家で使用されている農薬だけが残っているわけではない、とも言えます。その一つがポストハーベスト農薬と言われるもので、収穫後の食物に使われる農薬です。

日本では使用が禁止されていますが、アメリカなどの柑橘類には使用されることが多いです。また、日本で禁止されているとはいっても、食品添加物として防カビ剤が使用される場合があります。収穫された野菜や果物を保存している間や運んでいる間に虫に食われたりしないようにするために、収穫した後に使用する農薬も残留農薬として問題になることがあります。

他にも、残留農薬の問題は野菜や果物だけではなく、残留農薬の危険性がある飼料を食べる牛や豚、鶏などもその対象になります。幅広い食品に残留農薬の問題は関わっているのです。

農薬や残留農薬に対する日本の基準とは

農薬や残留農薬に対する基準は、安全大国の日本ではしっかりと定められていると言えます。日本の厚生労働省は食品中に残留する農薬などが人の健康に害を及ぼすことがないよう、すべての農薬、飼料の添加物などについて残留基準を設定しています。

農薬などの基準値が超えている食品の販売は禁止されていますし、農林水産省は残留基準に従って農薬取締法により使用基準を設定しています。また、外国からの輸入食品には残留農薬の検査もきちんと行っています。しかし一方で、日本の残留農薬に関する基準は世界の基準からすると甘いとも言われています。

日本の食品を輸入している国の中で、日本の食品の残留農薬が自分の国の基準を超えたため、輸入できないといったことが起きているのも事実です。安全に対して厳しいはずの日本の食品が何故と疑問に思うかもしれませんが、現実問題としてこういった事は起こっています。

農薬や残留農薬については各国で考え方が違いますし、またその国によってよく食べる食材も違います。また、まったく同じような検査をしているわけでもありませんので、一概にどこの国の基準が正しいと言うことはできないのです。

なぜ私たちは残留農薬を気にするのか?実際残留農薬とは危険なのか

食品14

私たちはなぜ残留農薬という存在が気になるのでしょうか。おそらくほとんどの人が漠然と農薬は危険なもので、残留農薬とはその危険な農薬が残っているから口にすれば健康を害するというイメージがあり、気にしているのではないでしょうか。

確かに農作物からは多かれ少なかれ残留農薬が検出されるのは事実です。だったら、農薬を使わずに野菜や果物を作れば良いと考えるかもしれませんが、日本のような気候ではほとんどの野菜や果物は農薬を使わなければ作ることができないのが現状です。

農薬が全く残ってない野菜を食べ続けるのは難しいですが、残留農薬には一日許容摂取量という健康に害を与えない量というものがきちんと定められています。確かに農薬は体に悪い成分ですが、仮に残留農薬として残っていてもごくごくわずかな量であれば、人間の体に悪影響がないと言われています。

大量に摂取すれば人間の体に害を与えるものも、一日許容摂取量の範囲であれば神経質になる必要はないと言えるでしょう。ただ、すべての食物において検査が行われているわけではありませんし、全く安全だとも言い切れない部分はありますから、自分のできる範囲で残留農薬には対処していけば良いと言えるのではないでしょうか。

残留農薬のない食品を食べるためにはどうすればよいのか…対策その①

では、残留農薬のない食品を食べるためにはどうすればよいのでしょうか。まず、一番は購入する時に有機JASマークのついた有機栽培や無農薬栽培で作られた野菜や果物を選択するということでしょう。有機JASマークは、化学的に作られた肥料や農薬を使用していない農作物やそれを材料にして作られた加工品にだけ付けられるマークで、いわゆる有機野菜やオーガニック野菜と言われるものに付けられます。

最近は、ショッピングセンターにも健康食品を取り扱ったお店が入っていることが多く、そういった店にも野菜コーナーがありますので、覗いてみると良いでしょう。普通のスーパーに並ぶものより割高にはなりますが、より食の安全に気をつけたい方は利用する価値があります。

また、どういった食物が農薬に気をつけたらよいか知っておくことも大切です。輸入されたオレンジやグループフルーツにはポストハーベスト農薬という後からつけられた農薬が塗布されているため、果物の皮には注意が必要です。

また、バナナも農薬には注意が必要な果物と言えます。農薬は軸の部分につきやすいですから、バナナも両端の部分は残した方が良いでしょう。輸入食品にはより注意することをおすすめします。また、アメリカの有機と言われるものは日本とは基準が違い、農薬が使われているものもあったりしますので、まったく日本と同じ基準だとは思わない方が良いでしょう。

残留農薬のない食品を食べるためにはどうすればよいのか…対策その②

食品4

無農薬野菜や有機野菜を積極的に食べたいところですが、なかなか日々の食物を全部そういったものにするのは難しいでしょう。そこで実践したいのが、野菜や果物の残留農薬を洗う事によって除去するという方法です。野菜や果物によって洗い方のポイントを知ることで、残留農薬があったとしても落とすことが可能です。

まず、皮をむいて食べるものより注意したいのが皮ごと食べる野菜や果物です。イチゴやトマト、皮ごと食べるブドウなどは食べる前にに水の中に入れてしばらく置いておくと良いでしょう。また、農薬を落とすには食器用のスポンジでゴシゴシするのも効果的です。

そして、塩水や酢水、重曹水に入れて残留農薬を落とす方法もあります。ただ、すべての食物についてきちんと残留農薬を落として料理したいところですが、ほうれん草などは水につけすぎると栄養素が抜け出してしまうものもありますので注意しましょう。

水でも強アルカリ性の純水は最も農薬を落とすと言われています。野菜を洗う専用の洗浄水なども販売されていますから、そういったものを上手く利用しましょう。